由井大久 釣り方商店 2005年から2007年のブログ > 森のはなし

2008年05月29日

酒と魚とお米とお水

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魚沼の田植え前の風景。山が良くて水が良ければ美味しいお米が出来る、魚沼コシヒカリはブランド
だが、そんな米処では美味しいお酒も出来る、八海山、緑川といくつも銘酒と言われる地酒がある。
そして忘れてならないのが、魚沼と言う素敵な名前の通り魚も豊富なこと。

酒と泪と男と女と言う歌がありましたが、こっちは酒と魚とお米とお水ですな・・・・

[ 森のはなし ] 投稿者 daikyu : 22:26

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2007年11月02日

こっちの水はあまい?

それは息をのむ様なグリーンの水色と白い底石。砂が多いのが気になるがそれを差し引いても
かなり魅力的な渓相だった・・・・感覚的にこの水色は『釣れる』水色だ。

9月最終釣行で山形を巡った時に峠を越える道から遥か眼下に見えた渓。どうしても気になり、
二日目の午後から皆を誘って今シーズン最後の新規開拓となった。

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flyfisher ochi

4人で分かれて30分、1時間とかなり丁寧に釣り上ったが全く生体反応がない。真新しい先行者の
足跡もかなりあったから、それが原因だろうか。それにしてもピシャッくらいの反応はあっても良さ
そうなのに・・・・秋は難しい釣りになる事も多いから改めてハイシーズンにもう一度竿を出そうと踏
ん切りをつけ山を下りた。釣れたら最高なんだけど・・・・・こうしてシーズン最終に入った新規の渓
では結局型を見ずに終わってしまった。

大きな淵でいかにも大きなサイズが出そうなポイントほど肩透かしにあい、何でもない小さなスポ
ットからドキッとするようなサイズが飛び出すことの方が、小学生の頃から親しんだ木曽での釣り
では圧倒的に多かった。

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そんなイメージが刷り込まれているせいか、あまり大場所が続くような渓相よりも、この写真の様
に小さな瀬や落ち込みが続く様な渓に足が向く事が多かった。東北を歩き始めた当初の渓選び
にはそんな前提があったと思う。個人的には今でもこんな規模の渓の釣りが好きなのも、釣りを
覚えた頃の経験則からだと思う。

ところが10年程前に、とある秋田の美渓での釣りを境に、その自分の中のセオリーが音を立てて
崩れて言った時の事を今でも鮮明に覚えている。

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美渓で名を馳せているその渓で、大場所になればなるほど大型のイワナが悠然と捕食を繰り返す
シーンをこれでもかと言うほど見せ付けられた経験からだった。本来の無垢な魚達の行動はこうい
うモノのなのかと、当初はかなり衝撃を受けた。

何度か東北の渓と木曽の渓を歩くうち、これはニッコウとヤマトの性質の差に起因しているのだろう
と考えた。彼らの着き場の好みは明らかに違っていて、緩い開きや巻きで積極的に捕食する事が
多い東北のニッコウイワナに対して、岩のエゴに近く流速のある深い巻きなどで注意深く餌を見て
いる木曽のヤマトイワナは対象的である。それはハイシーズンに東北と木曽の渓を交互に釣る様
になって意識し始めたことだった。

ただそこでもう少し深く踏み込んで見ると、そうした性質の違うイワナが育つ環境の違いから来るもの
なのかと思う様になった。東北は手付かずのブナを中心とした広葉樹の原生林に覆われた森。木曽
は人の手によって植樹された桧を中心とした針葉樹の森である。この『原生』か『植樹』かと言う歴史
的背景は意外と知られていない。

もちろん木曽桧は世界的なブランド価値があり、その植樹の歴史は江戸時代から綿々と続いている
素晴らしいものだ。300年以上の樹齢の森が森林浴発祥の地とされている事も誇りに感じる。ただし
魚にとってこの歴史的背景がどう影響しているかと考えると、また興味深い。

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flyfisher fukasawa

写真の様な秋田の広葉樹の森では、この朴の木の風倒木でさえ青々とした葉を天に伸ばす力があり、
こうした植生が魚達の餌となる水生、陸生昆虫を多く育む事は良く知られている。反面、桧の抽出成分
がその抗菌作用により虫除けなどにも活用されている事実にも興味をそそられる。魚たちの生態への
影響があると考えても不思議ではない気もする。

広葉樹林と針葉樹林の渓の水を比較すると、前者の水はグリーン系な水色をしている事が多く、後者
の水はブルー系な水色をしている事が多い様にも思える。水深の違いでの水の屈折率によって水色
が違う様に見えると言う話は一般的だが、それだけで片付けられない何かがあるように思えてならない・・・・

緑の水のほうが魚にとっては色んな意味で『甘い水』なのかもしれない・・・・・

[ 森のはなし ] 投稿者 daikyu : 13:01 | コメント (12)

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2007年10月27日

木曽駒高原の紅葉

紅葉『こうよう』と書いて紅葉『もみじ』・・・まさしくそんな秋色に染まったもみじ。早朝の木曽駒高原
はキャンパスにいろんな絵の具をのせた様な色どりだった。霧雨の中を散策してみた・・・

魚無連絡です!11月に開田高原で反省会をします・・・NEWSコーナーへ

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黄金色に染まった朴の葉。ここ数日の冷え込みで寒暖の差が大きくなり色づいた様だ。

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白樺も多く高原の森にぴったりの爽やかなイメージ。根元の枯葉と白い木肌のコントラスト。

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広葉樹の森の葉が落ちてしばらくすると寒い冬が訪れる。雪の下に埋もれた無数の葉は山に
栄養を与えて、虫を育てて鳥や魚の栄養となり、落ちた木の実は新たな芽吹きと動物たちへの
越冬の栄養分となる。

自然が創りだした循環の節目のひとつが紅葉なんだよなぁ・・・・・そろそろ魚たちも産卵の季節
です。今度はちょっとたなびら&いわなウォッチングでも。

魚無連絡 red-beanさんのブログ 水曜日は釣曜日とリンクしました。よろしくお願いします!

[ 森のはなし ] 投稿者 daikyu : 10:42 | コメント (6)

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2007年06月13日

森が生む命

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新緑の緑はまさに芽吹きの緑です。渓では水生昆虫もうずうずとして、魚達も動きが活発になる緑です。春の多くの山菜が採れる季節もまさしくこんな淡い緑です。

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季節が進むと深い緑が増えてきます。梅雨の雨や、日差しを受けて色を濃くしていきます。魚達は高タンパクな昆虫たちの流下に夢中になり、アツイ日のテレストリアルが似合うFFが楽しい季節になります。

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森の緑を映したような水の緑。まさに森から生まれる緑です。無色透明な水が光や森の緑を映してエメラルドグリーンになってます。僕たちの酸素も、魚たちの水も森の緑から生まれています。彼らには大切な食事を供給し、住まいを与える森でもあります。

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やっぱり・・・早く逢いたい。早く(笑)


[ 森のはなし ] 投稿者 daikyu : 08:51 | コメント (22)

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2007年05月25日

緑の楽園

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この映像は一昨年の秋田のとある渓の堰堤です。緑一色に包まれて・・・・先日知来さんが木曽のイベントで『川も森の一部なんです』とお話ししてくれましたが、まさしくそんな風景。ゆっくりと癒されてきます。25日夜から27日深夜まで癒し映像を見て、次回エントリーをお楽しみにして下さい。それでは森のイワナと遊びに行って来ます!

[ 森のはなし ] 投稿者 daikyu : 01:32

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2007年03月15日

寒戻り

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仕事で長野、岐阜へ向うと前日に降った雪が積もり、冬景色に逆戻りしていた。地元の方の話によると数日前にふきのとうを見つけたそうだが、冷凍保存されちゃったかもしれない・・・今年は暖かい日が続いているので、降って良かった。高原の丘の木も凛としていた。

それにしても風の強い日が続く。春七番位まで行ってる感じだが、こんなシーズンも珍しい。木曽でも体感温度はかなり厳しく、各河川は雪代や年度末の河川工事の影響をまともに受けて泥濁りを伴っているところも多かった。

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仕事の合間を縫って、いつもの駒ケ岳の撮影ポイントへ向う。天気に恵まれていることと、強風の為山の稜線が普段よりはっきり見える感じだ。しっかりと積もった雪からゆっくりと染み出す湧き水が夏場の水を保ってくれるのかと思うとなんだかホッとする景色だ。

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お昼はお気に入りの蕎麦屋さんでざる蕎麦を注文する。最近東京の蕎麦屋だと『ふた掬い』ほどでなくなっちゃう様なざる蕎麦も多い中で、このお店ではざるは2枚が基本。値段も手頃で元来庶民の食べ物だった蕎麦らしい食べ方が出来る店である。

今回はとうとう竿を出す事はなく、釣りしないデーが15日も続いている。そろそろ・・・行きたい!


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2007年03月06日

なごり雪

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先週木曽へ仕事に行った時に朝方雪が降った。今シーズン初めて見た降る雪。東京では1月、2月と一度も降らなかった雪。そして降り積もった雪を見ることはあっても、雪が降っている時に遭遇することは意外に珍しい。

一体この天気はどうなってしまったんだろう。東京もすっかり春めいているが、木曽の山に積もった雪の写真を見ていたら、正やんの『なごり雪』のメロディが出て来た。正やんもフライマンなんだよなぁ・・・・

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2007年02月10日

樹齢880年・・・・

先日岐阜中津川の付知町へ仕事の出張へ行きました。道の駅に展示してある木曽ひのきの瘤をカメラに収めて来ました。付知町は木曽の裏側にあたるため、別名裏木曽とも呼ばれ木工品の加工などでも有名な地域です。この荘厳なる瘤はその風格で見るものに自然の偉大さと言うものを無言のまま伝えてくれるものです。魚無連絡です!今日国際フィッシングショーに行きます。13時頃からリバレイさんブースでイベントします。また地球丸から先日発売された『ヤマメ&イワナの日本100名川』で二つの渓を紹介しました。ぜひご覧下さい。

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2006年02月28日

国内森林トピックス

木曽上松の実家近くにある巨大なクヌギの樹。今朝の新聞に木曽上松の記事が・・・森林浴発祥の地である赤沢美林が森林総合研究所によって『ストレスホルモン減の効果がある森』として科学的に実証されたという事だった。いい話だなぁ・・・・

京都議定書発効一年を経て、排出削減に関するビジネスや取り組みがクローズアップされる中で、少しづつではあるが自然が人間に優しくしてくれているうれしいニュースだった。しかも長野県から他に4エリアの森が選ばれていた。森の環境保全から地球再生に貢献するのニュースでもあった。森が良い水を生み、川を通じて海を豊かにする・・・海なし県長野が海と繋がった気がした。

他にリラックス効果が裏付けられた森は、岩手、山形、長野の他4地区始め高知、宮崎の日之影など釣りを趣味にする僕達は聞いた事のある場所ばかり。これは良い森と渓とが密接に関係している事を物語っている思う。

京都議定書が発効された背景は、大気汚染に関しての排出物の、削減目標を国ごとに明確に設定してお互いに環境保全をして行こうという世界的取り組み。昔ならば水をコンビニでお金を出して買う事など想像もしていなかったが、大げさに言えば、『長野のおいしい空気』と言うネーミングでコンビニで空気を買う時代が来ない様にしなくてはいけない。

僕は生まれた時からリラックス効果抜群の森の空気を存分に吸い、その恩恵で育った魚を捕まえては食べこれ以上ないと言う環境で育った。その頃は当たり前だと思った自然も今では全国で有数の森に数えられるほどになっている。

しかしこれはこの森の豊かさを物語っているという事実とともに、何も言わずに蝕まれているであろう他の森の圧倒的な広さを示しているとも言えると思った。それは、人間の有志以前は全ての森がリラックス効果のある森だったはずだからだ・・・・

少しでも前に進もうと『チームマイナス6%』参加しています・・・

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2006年02月26日

海外河川トピックス・・・

リンク先のRollyさんのブログで大変な情報を見た。そこからRWさんのブログへ行き、海外の事情ではあるが驚愕の映像が飛び込んできた・・・この写真は秋田の大好きな渓で立ち込む絵だが、気持ち良い新緑を映しこむこの渓があの水生植物に犯されたらと思うとぞっとする・・・

その名はディディーモという。僕も今回のブログの情報で知った話だが、RWさんのブログによるとNZの南島の名川が被害にあっていると言う。簡単に言うとi石全体を飲み込む様な性質のヘドロの様なものが川底を覆ってしまい、のっぺりとした状態になり、水生昆虫の棲息にも影響を及ぼしていくと言うものだ。

1980年代に欧米で発見され、局地の生態だったらしいが2004年にNZで発見されて以来その増殖の力が強烈で被害をもたらしている河川の状況を見ると驚くべき状況だ。

釣り人の靴底についたディディーモは感染して、他の河川や海を渡って違うエリアでも強烈な繁殖力をもって増殖する事が確認されている事を気をつけなければいけないと思う。空港での検閲などでも目視出来ない限り、抑止力にならずそうした場所で釣りをした場合は日本国内に入る前に完全な消毒なりの措置を施さないといけないらしい。

良く昆虫や動植物は疫病のことや、生態系を変えてしまうことで今話題の特定外来種の様な話もあり、情報もあり、事前確認は出来るようだが、このディディーモに限ってはかなりナーバスな問題で行政もあまり関知していない状況らしい。

自然の復元力の力で、洪水によってこのディディーモがキレイに洗い流された河川もあると聞いた。実は写真の渓に5年ほど前のある秋に釣行した際、直前の台風で凄い排砂に見舞われ、堰堤間の2km程がほぼ真平らになり殆どポイントがなくなってしまった事があった。

これはさすがにこの区間は終わりかと思ったら、翌年の6月何も無かったかの様に埋まる前の渓相に戻っており驚いた。もちろん下流側の堰堤はそれだけ埋まった事にはなるのだが、自然の力の想像を超える力には畏敬の念さえ抱いてしまった。

詳細はRWさんのブログへどうぞ・・・考えさせられます。

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2006年01月18日

Bzはミュージシャンだけじゃない

今年の寒波の影響はすごい。今朝のTVで山中湖も全面結氷で厚い所では15cmの氷が張り、日によってはワカサギの穴釣りが出来る日もあるようだ。これは昨年の12月の写真だが今は湖は真っ白というコトだ。そんな寒さに見舞われている中、もっと厳しい雪と寒さの秋田からあったかい電話が来た

秋田のBzである。と言ってもミュージシャンではない。ビーズヘッドのような頭をしているのである。飲んでご機嫌になると、その細い体とBz頭を利用して「ビーズヘッドニンフ」とかやってくれる。先日のyukiとの縁をつくってくれた先輩は、増田町に住んでる。釣りキチ三平の作者矢口高雄さんの故郷祖畔内のそばで、三平くんの原画も飾ってあるまんが美術館もある。雪深いまちだがとても味のある大好きな町だ。釣り場も回りにたくさんある。大好きな鳥海山麗までも一時間足らずだ。そんな彼をBzヘッド先輩と勝手に呼んでいるのだ。

さすがに今年の雪には閉口していると朴とつで低めのトーンの純秋田なまりで話した。僕もなぜかつられてへんになまりながら、ひとしきり話した。田沢湖町のご実家ではさらに大変だとの話も・・・雪下ろししなくて良い様に傾斜のある屋根にしてあるそうだが、落ちた雪を片付けるのが一苦労らしい。あの秋田美人の奥さんが一所懸命に雪をどかしている姿が目に浮かんだ。

すると「今週金曜日から一週間、東急東横店でうちの稲庭うどんが出る名産品展があるから行ってよ」と「先輩は来るの?」と聞くと「俺はいがねーんだけどさ・・・」と少し寂しそうな声になったが、うどんの販売はもちろん、その場で稲庭うどんが食べられる模擬店も出店するとのことだった。

七代佐藤養助商店」という屋号で稲庭うどんでは一番の老舗で創業して140年の歴史があると言う。彼は「養心館」という名の、雰囲気のある古民家や古い蔵に手を入れたお店で、伝統の稲庭うどんを中心とした懐石料理をそれはお値打ちな料金で美味しく食べてもらうために2店舗を統括する板前をしている。田沢湖にいた時から、彼の創る料理には相手をもてなす心がこもっていたが、縁あり養心館で板前をするようになり、さらに磨きがかかったと思う。昨年3回お世話になり、料理人の真髄を感じた。

そんな彼の分身のような稲庭うどんが渋谷の百貨店に並ぶというコトをわざわざ知らせてくれた電話だったが、そのこと以外の話で結構盛り上がり、そして心が暖まった。「また行きますね!」というと「今年はすごい雪だからすぐこなぐていいよ・・・」とぼそっと言った。そうすると逢いたくなるのが人のこころ・・・わかってるなー先輩!春になる前に逢いたいよ。

という事でぜひ20日から27日東急東横店で開催されているそうですので、遊びに行って見て下さい。とびきり美味しい伝統の手ノベうどんの真髄に出逢えると思いますので・・・・先輩を想像しながら食べるとなお美味しいです。目だけをかわいくした松山千春似のビーズヘッド先輩です。先輩のロハスな魅力にはまりたいあなたはオンシーズンの秋田釣行ご一緒しましょう!はまりますよ・・・・

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2006年01月17日

この木の価値どの位だと思います?

先日のエントリーで登場する巨大な秋田杉がこの写真です。小さくない僕の体と比べてもこの大きさ。少なく見積もっても直径2m50cmは下らなかったと思います。おそらく500年は生きてきた杉かと・・・

ブナを始めとする広葉樹と巨大な杉に囲まれたバランスのとれた、この森の素晴らしさは前述の通りだが、そのことを更に認識せざるを得ない事があった。

おととい泊まった仙台で朝新聞に目を通すと、地球再生というテーマのTV番組の案内があった。なぜか目に留まり、かみさんにすぐ電話をして録画を頼み、帰京して家族が寝静まった部屋でひとりその番組を見た。地球共生と題された番組のポイントは、「大自然の値段」という興味深いものだった。地球環境に対して日本人一人が必要とする国土や空間がどれくらいか?と言う問いかけからのスタートだった。

東京ドーム一つ分というのが答えだった。えっどうしてそんなにいるの?30坪くらいあれば十分なのではと一瞬考えた。この考え方をエコロジカルフットプリントと言うそうである。地球環境に印すエコロジーの観点から見た人間の残す足跡という概念だそうだ。

それによると住む、買い物をする場所0.07na、食べるお米を収穫するための田、食肉を得るための牧草地、魚を捕るための海の面積の合計3.2ha、紙パルプの原料となる山の面積0.33ha、そして排出する二酸化炭素を吸収するための森の面積なんと2.8ha、その合計4.3haというコトだそうである。この4.3haが東京ドーム一個分とのことだった。それにしてもこのデータで驚くべきはその必要とされる面積の65%が人間が呼吸をして吐いた二酸化炭素を吸収する為に必要な森の面積というところだ・・・東京ドームの65%のスペースの森がたった一人の為に必要だという事実を突き付けられた感覚である。

もし日本人に必要とされる4.3haを地球の総面積で割ると25億人しか生きる事が出来ないということになるそうだ。地球2個でも足らなくなるんですね・・・・米国人9.5ha、アフリカ人1.2haという指数はある意味分かりやすいデータだった。

地球の中でこうした事に活用出来ない土地はなんと4分の3あるそう・・・活用出来るスペースを全人類のエコロジカルフットプリントの平均2.2haで割ると、暮らせる定員は50億人とのことだ。現在の地球の人口は64億人なので14億人約21%の定員オーバーというコトになる・・・このままでは、次の電車をお待ち下さいと地下鉄の車掌に言われるように、来るはずの無い地球を待つことになりうそうで怖い。間違いなく今の僕の意識レベルでは21%にはいりそうだ。

地球の許容量を大きくすると言う方法が解決の糸口であるというのがそれに続く、メッセージの一つだった。北海道の襟裳岬の緑化事業を取り上げていた。明治から昭和にかけての大量伐採により殆どの木が無くなってしまったそうで、その影響により砂漠化した岬から海に流入した砂により環境が悪化していたそうだ。

その影響は深刻だったそうだが、昭和28年から始まった緑化事業で200haの黒松の森が復活したという話だった。今から50年前に始まりようやく効果が出始めた話です。緑を取り戻した森により、息を吹き返した海は豊かになり、昆布を始めとする海産物が復活し、そうした事の集大成として絶滅危惧種といわれる特殊なアザラシも海に戻るまでになったそうだ。

林野庁の取り組みは第2フェーズに入り、今度は黒松の森に人間の手を改めて入れるという段階に入ったとの事でした。「本数調整伐」と言う密生した黒松を40%間挽くという伐採方法で、広葉樹の自然な植生を促すというものだ。単一種のみの森は生態系としてはもろく、様々な木々からなる力強い森となるという話です。この第2フェーズについてもここから50年という事業だそうです。合計100年の事業への取り組みが現に行われていると聞き安心しつつ、こうした事が広がりを見せるためにも意識の変革が必要なのだと感じた。

2002年に成立した自然再生推進法という法律がある。その定義は「自然環境を保全し、再生し、若しくは創出し、又はその状態を維持管理すること」だそうです。とても良い考え方ではあると思いますし、どのようにこの考え方を定着させていくかという事は大切だとは思う。しかしこの取り組みに対しては二つの大きな問題があるとされていました。それは「長い時間」と「莫大な資金」という事だった。

合わせて環境再生の有効性を分かりやすく示すデータがさらに紹介された。それは自然環境がもたらす効果を年間の経済効果に置換えたものだった。二酸化炭素の吸収による効果で1兆2000億円、国土の侵食を防ぐ事による効果で28兆3000億円、水をきれいに保つ事による効果で14兆6000億円、総計年間70兆円、ピンと来ないがGDPの10%のウェイトがある価値なんだそう。その中でも日本最大の釧路湿原は年間400億円の経済価値があるらしい。それなりの予算をかけても毎年経済的価値を生み出してくれる環境再生は十分投資の価値があるというコトだ。

1時間の番組を見終え、森をベースとした山の力はすごいと改めて感じた。もちろん長い年月を経てあの森が出来上がり、そこに流れる渓でイワナを釣りを楽しんだのだが、恩恵を受けているのは実は魚釣りの楽しみだけでなく、生きるための絶対必要条件の基本「呼吸する」という事に対して想像を超えた貢献をしているという事に気づかされた。

木曽ヒノキ、青森ヒバとならび日本3大美林秋田スギの象徴的存在としてこの杉の巨木は僕の心の中に改めて刻み込まれた。実家のそばには木曽ヒノキがある。青森ヒバをこの目で確かめたくなった・・・

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2006年01月13日

逆パブロフ犬

河畔林と苔むした岩の緑が素晴らしい渓。ここは秋田最北部の威厳ある森に囲まれた場所。ブナやクヌギや朴の木の広葉樹に始まり、大きいものは2mもあろうかと言う信じられない太さの秋田杉が数多くあった。こんな場所を見つけたら竿を出さずにいられない。

この渓は初めて入ったのだが、地図を片手に川を探そうと釣行した9月の最終日に辿りついた場所だった。渓探しのキーは山の豊かさだったのだが、前日は反対側の山から入る支流に入り、ほんの1km足らずの遡行だったが、同行のohiくんの尺ヤマメを始め、殆どが9寸近い釣果とその夜キャンプサイトで飲みすぎてしまった。それにしても素晴らしい釣果であった。豊かな森の恩恵をダイレクトに感じる結果となった。

気を良くしてそれじゃ反対側の山も調べようと、意気揚々と翌日車を走らせた。舗装道が近く釣り人の目にも留まりやすい渓ではあるが、その環境の素晴らしさに竿を出さずにはいられなかった。当日の急激な冷え込みと、標高の高い場所にある渓ということもあり、汗をかいて釣り上がった前日とは状況が違った。魚は一気にサイズダウンしてしまった。しかし無垢なイワナはぼくたちのフライを疑うことなく捕食し続け、数が出た。大きめの斑点がきれいな東北らしいイワナたちだったが、こんなに次世代組が育っているんだという事が喜ばしかった。この雰囲気の中での釣りは新たな可能性を感じるには十分だった。

かきの養殖業の方々が、山にブナを植え、高い意識をもって大きな自然のサイクルに関わろうとしている様に釣り人も何かしら、働きかけるべきなのではないかというのは昨日のエントリーでも書いたのだが、
釣り人の目線や感度からも何かしたいと思う。ただ何をしたら良いのかは模索している。もちろん渓でゴミを出さない、あれば拾うなどは当たり前の様にやらなければ行けないのだが・・・

仕事が終わり、新宿にオフィスがあった時代から良く行くリーズナブルでおいしいおすし屋さんに同僚と行った。おつまみ何にしますか?とおねえさんに聞かれたとき「三陸産生がき入荷」という張り紙が目に入った。迷わず3つ600円という良心的価格設定に更に納得しつつ注文。殻付きの大ぶりなかきに一同満足し、一気に口に流し込むと、僕の頭の中にはなぜかブナの森のこの緑が浮かんできてしまった。逆パブロフ犬状態とでも言おうか・・・この連想が昔のブナ林はきれいだったなあという思い出に変わることがないように・・・

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2006年01月12日

夕焼けを見て思うこと

こんなにきれいな夕日は写しておかなければ・・・と思いカメラに三脚をつけて撮影した。場所は千葉の富浦。素直に美しいと思える風景がまだまだあることに感謝した。

この夕焼けの橙色は心を和ませる効果があると信じている。この色が他の色ではやはりしっくりこないと思う「夕焼けが見えると翌日の天気は良い」という諺通り翌日も好天に恵まれた。

きのう友人から「人間はおわりが近くなると海が見たくなるんだって・・・」と聞いた。それは水から生物全てが生まれているルーツにも関わる事なのかもしれないなぁとふと考えた。よく土に返るという表現もあるが、同じようにそもそものルーツである水にもどるという本能なのかもしれない。海のない長野に育ちながら、海を見ると何故か懐かしく思う。親父の出身が土佐であると言う理由もあるのか。漁師のDNAが流れているのか。

水はすべての基本になるはず。この海も川の水の影響を受ける事になる。川の水の源は山の湧き出す清水のひとしずくが沢になり、支流になり流れだす。全てはこの1滴から始まるのだからそれを生み出す山の潜在能力はさらにすごいと思う。山は休まず水を供給し続け、人々にゆとりをもたらしている。炊事、洗濯、洗顔、お手洗い、打ち水、水浴び、生け花、植木、お酒と挙げたらきりのないほど人間の生活に密接に関係している。人間の組成70%は水だとも言う。そして何より愛する魚の棲むための基本・・・これがなければ釣りという概念すらない。水があるという当たり前に思っている事がいかにありがたい事か。

三陸のかきの養殖業を営む方々が、収穫する湾に注ぐ川のミネラルに着目して、源頭にあたる山にぶなの植樹を続けていると言う話を10年ほどまえにTVで見たことがあった。素晴らしい話だ。ブナを植えたからと言って、すぐ水がきれいになりかきの味に影響する事はない。自然を戻そうという試み自体も素晴らしい事だが、大切なのはこうした試みによる教育的効果なのだと思う。海の養殖業者が山に木を植えるという一見かけ離れた行為に思えるが、そこに大切な意味があるというコトに対する学びがそこにはある。「程よく人間の手の入った自然」の再生に間違いなく寄与する行動でもある。

林業機械をサポートしている実家の家業や、義兄の会社も木曽檜の製材を生業としている。自分は釣りが好きでこうした自然が後世にきちんと残したいと言う事を強烈に意識し始めている。水を生み出す山とそこに植生する樹木や動植物の生態系も含めた自然のおりなす力を守るために人間が出来る事を真剣に考える時に来ているはずだ。趣味である釣りを末永く楽しむためにも必要なこと・・・

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