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2006年08月31日
御岳山麗のネイティブ
苔の芸術的な天然のオブジェの中を滴り落ちる湧水。御岳山麗の山肌から湧き出す、手の切れるような冷たさの水。1500mに近い標高の山岳渓流だが、フライロッドが振れる天然ヤマトイワナのみが生息する渓は貴重だ・・・
御岳山麗は7月の集中豪雨で二日で600ミリと言われる様な積算雨量があったと聞き、川の状況がかなり心配だったが、豊かな山の力で川への影響はそれ程でもなかったようだ。よほどの増水でもイワナは流される事なく、居ついているモノだが、盆明け最初の週末という事もあり抜かれたり、脅えていたりと言うことかもしれない。
それにしても下界の蒸し暑さとは無縁のこの渓は8月の盛夏にこそ訪れたい別世界。湧き出る清水を集めて、浅い瀬では透明感のある水晶のように、深めの淵ではエメラルドグリーンの清冽な水を湛えていた。釣りの手を休めながら、見る景色は素晴らしいのだが、魚の顔も拝みたいと大岩をかわしながら上流を目差す。可能性のありそうなエグレや泡のあるスポットにも丁寧にフライを入れていくが、反応は渋い。
そうこうしているうちに、ノーフィッシュのまま分流している所まで登ってきてしまった。二跨ぎ程に分かれた沢の上流を目指す。同行したのはkeiちゃん。今シーズンから本格的にFFを始めた僕のいとこ。雰囲気はかなり良い場所だが、沢自体の傾斜がかなりキツイので、息が上がっている様だ。普通に釣り上り反応が無ければ、殆どの人が諦める位の距離と時間だろうか。
こんなはずはないと言う思いと、魚が抜かれて居ないのだろうかという思いが交錯している。少し開けた小さいポイントにフライを入れる。1m近く離れた場所からフライを目差した魚体が見えた。20cm弱だったがフッキングしない。うーん厳しいかな、さらに詰め、ヒラキの所にあるボーリングの玉ほどの岩の奥をフライが通過して、視界から消えようとした時水飛沫が上がった。反射的に合わせると、今日初めての有機的な鼓動がロッドを伝わってきた。独特の力強いグングンという引きである。
背中はほぼ無班、側線をまたいでの朱点が腹側まで回るようなデザインの無垢なヤマトイワナ。焦げ茶色のボディは僕の小さい頃の記憶の中のイワナそのものだ。このイワナが希少な種であると分ったのは大学に進学した後のことだった。
写真を撮ろうと浅い石底を探していると、手を長く浸けていられない程の冷たさだった。いたわりながらリリースするとするっと手を抜けてゆっくりと岩の下へ消えていった。肩で大きくフーッと息をして、岩陰に腰掛ける。
その後も時折ロッドを絞った純潔のヤマトは真夏の日中を感じさせないコンディションだった。しかしこれ以上はもう詰めるのが難しいと言うエリアまで来て、ようやく反応が出始めたので、下る他ない。大岩を縫う様にして流れる、渓を下りながら改めて綺麗さに気づく。
たくさんの魚には出会えなかったけれど、御岳山麗という環境の中を流れる渓での気持ちよいイワナ釣りは、いつもと同じイメージで夏の暑さを忘れさせてくれるものだった。
[ フライ>いわな ] 投稿者 daikyu : 06:10 | コメント (18) | トラックバック (0)
2006年08月28日
シャクちゃんムレムレ・・・
盛夏のFFは、3日目に入りようやく本来の東北らしいものとなった。プールで尺イワナを釣り、再度フライをスケーティングさせるとスイッチが入った様に捕食した。これも31cmと計った様に同じサイズだった。同級生で夏休みの朝イチのクワガタ採りよろしくテレストリアルでも探していたんだろうか。上流のyamaちゃんに声を掛けると、シェードの下の渋いライズを狙っていた。さらに上流で声がする・・・
魚無連絡です。ABUさんのブログとリンクしました。オヤジの魅力とくとご覧下さい。いいっすよ・・・
ochiくんにおそらく良いサイズが出たのだろうか。まさか四足の黒い毛むくじゃらの方じゃないよな・・・リールにラインを巻き取りながら合流すると、ニンマリしている。34cmを採っての嬉しい歓声だったようだ。
オッチーやるじゃん!
先行した僕は、川を下りyamaちゃんが37cmと気を吐く今釣行イチのサイズを掛けたことを聞く。yamaちゃん大物神話は健在だった。ochiくんも尺を追加したとニンマリしている。3人で5本の尺上混じりの釣果は盛夏の渇水と、ここまで二日間の状況から考えてもかなり満足出来るものだった。
先行者が下ってきた。僕達のやった区間は飛ばして、さらに上流に入ったそうだ。ついている時はこんなものかもしれない。ゆっくり彼らが下るのを見届けて、沢筋の日陰で涼を取りながら、デジカメ写真を見せ合う。背中の昼食も出しそびれていたので、温くなったお茶を沢の水に浸して冷やす。
気化熱の仕組みに期待して、首に巻いたタオル、キャップ、シャツまでも沢水に浸した。うーん極楽極楽。
下っていった釣り人と時間を空けて今度は釣り下ると、いくつかの大型のイワナがヒラキに定位しているポイントに出た。
ここで背後にいたyamaちゃんが突然、『シャクちゃんムレムレだね!』と小声ながら高いテンションでつぶやいた。一呼吸おいてツボにはまる様な笑いが込み上げて来た。ある女性タレントの顔を思い浮かべたら、2人も同じだった。
このフレーズを口ずさみながら、冷房の効いた涼しいスタジオで水着のシャクちゃんを撮影しているyamaちゃんの映像が浮かんでは消えと不思議な感覚になった。オヤジギャグと釣りのセンスは共通していると、ある意味確信をもったのだった・・・・
ここで今釣行の登場人物を整理しておきましょう。かれこれ10年近いお付き合いになるyamaちゃん。仲間内では大物キラーとして名を馳せるが、ここ最近ではオヤジギャグにも磨きがかかる。東北の渓をあちこち回っているクレージーFFマン。同じ歳だが兄貴のような懐の深さを感じるひと。バックは初日のへつりをした岩場から下流を見た写真です。お疲れ様でした!
そしてブログ仲間でもちょっとアイドルみたいになっているochiくん。ボソッ話すセリフが面白い、ナイスガイ!年上に可愛がられるキャラは得するよ!釣りのレベルも相当高いから、パイロットフライとしても高性能。何にも気にしなくて今のままで行こう!
世の中ではハンカチ王子がもてはやされてますが、3人のテヌグイ親父の東北行脚はアブのテンションを超えるオヤジギャグとFFパワーで無事幕を閉じました。これからもよろしくねー
[ フィールドレポート ] 投稿者 daikyu : 22:55 | コメント (22) | トラックバック (0)
2006年08月26日
リンク更新しました・・・
秋田湯沢在住のフライマン&バンブービルダー渋谷さんのHP、栃木県のルアー&フライアングラーのyasuさんのブログ、同じく栃木のルアー&バードウォッチャーのshojiさんのブログです。遅くなりスミマセン・・・iwameさんのブログとHPリンク追加しました!
渋谷さんとは秋田の取材時に川で偶然お会いしました。この写真のヤマメが釣れた時にお会いしました。FF誌でも活躍されているので、ご存知の方も多いと思いますが、HPをご覧頂くと・・・・ウーン凄い。とにかく行って見て下さい。そちらへ行く時はよろしくお願いします(ペコッ)
yasuさんは要さんつながりのヘボ会でお会いした方です。フライはまだ始めたばかりとのことでしたが、秋田でご一緒にキャンプもさせて頂いてます。栃木の地元のフィールドで楽しんでいます。地鶏の燻製を差し入れで頂きましたが、美味で忘れられません・・・またお願いします(笑)
shojiさんも要さんのつながりで、湯川のへボ会の時オヤジギャグで繋がりまして、秋田へのキャンプを2回ご一緒させて頂きました。バードウォッチングや自転車、キャンプの仕切りも達人でございます。ホットサンドメーカーでの朝食素敵でした・・・またお願いします(笑)
iwameさんはメールでナンパされました(笑)いつも見に来てくださっているそうです。栃木在住のFFマンで、酒とお蕎麦と東北もお好きなご様子ですので、komさん、くろやん、shojiさん、yasuさん、宇都宮県のochiくんと合わせ栃木方面に明るくなれそうです!
ようやく会えました
夏休みのキャンプ場の喧騒を抜け、林道を走り、東北釣行最終日の今日は上流目指して歩く。案外歩くのは好きだ。天気は今日もピーカン!なのだが、目指す上流部の空は雲に覆われている。雨男2人の虫がこんなところで騒ぎ出したのか・・・・
渓で竿を出す頃には霧雨が降ってきた。しかしここの所の日照り続きには返って良いのかもしれない。しばらくして、yamaちゃんが良型をバラした。魚が上ずっていることが分り期待して上流へ。プールでは、早速ochiくんがイワナを見つけケースドカディスの落とし込みで巧みに掛けた。泣き尺の豊満な魚体だ。
ひとまたぎ程に細く分かれたプールの流れ込みで水面直下にサスペンドしているイワナを見つけた。かなり近い距離まで来て気がついたので、ヘタに動けない。ロッドティップからラインを少しだけ出して、目の前にフライを落とすと、一瞬ためらった様にも見えたが、ススッと浮いて食った。が寄せている間にバレてしまった。尺近いサイズだった。あーっ・・・でも活性は高そうだ。
2人は釣り上がり始めたが、僕はプールで少し粘る事に。コースを読みながらテレストリアルをテンポ良く打ち込むと、ゆっくりと泳いでいたイワナがキュキュキュッと鋭い動きから水面に近づいた。直前でUターン。フライが水面ごとユラユラと揺れる位の寸止めだった。上下に動くフライの動きと心臓の鼓動がシンクロしている。
フライをCDCフライの16番に変えて、キャストしたフライをススッと動かし、注意を引く作戦に変更して見るとすぐ反応があった。スピードを変えたイワナはフライをゴボッと飲み込んだ。バッドに重量感のあるノッキングが伝わる。
ユスリカ、ケースドカディスに始まり、カゲロウ、テレストリアルと水面、水中を問わずかなりの量の餌が供給されているはずのプールでのびのびと育った31cm。ようやく今釣行で尺イワナに会えた。白と朱の斑点のグラデーションが美しい。
霧雨の空模様と魚の活性がマッチして、良い状況のようだ・・・・
[ フィールドレポート ] 投稿者 daikyu : 04:13 | コメント (10) | トラックバック (0)
2006年08月25日
日陰を求めて
灼熱の太陽がジリジリと照りつける。朝イチ起き出して入った渓は早朝にも関わらずアブの巣窟だった。苦労して移動した渓は涼しく、アブはいなかったが魚もいなかった。魚に遭いたいと南下した。アブはいない。渇水だとは思って来たが、想像よりも水は少ない・・・
日陰や水通しの良い場所を中心に釣り上がると、入ってすぐ、yamaちゃんに良型のイワナが飛び出した。今日初めての魚らしい魚だったが、続いてochiくんも流れのヒラキで中々のサイズを出した。おっ移動は正解かな?1時間ほど走った山の裏側だったが上々の滑り出しだ。
交替して上がったところで、yamaちゃんが緩いプールの岩陰にフライを落とし、大型を誘い出したがすっぽ抜け、天を仰いだ。やはり日陰だった。日陰を見逃さない様に・・・その後は小さなポイントでも日陰にはそこそこのサイズが入っていた。
川がカーブしている長めの岩盤のプールの流心に泡のラインが出来ている。大きなカーブ全体が日陰のポイントだ。14番のテレストリアルをストンと落とすと、ユラッと水面に良いサイズが浮いてフライを吸い込んだ。『バシッ』と言う悲鳴のような音と共にラインが跳ね上がった・・・・合わせ切れ。ヘナヘナと力が抜けるようだった。
大岩の影から出たイワナをネットに入れると、夏の日差しに当たった魚体が黄金色に見えた。特に胸ヒレは金をあしらったセルロイドの細工の様にも見えた。夏の太陽がなければこうまで色濃く見えなかっただろうと、しばらく魚体に見とれる。
リリースしようと手を添えると、入渓時点より水がかなり温くなっているのが分った。水温の上昇と共に徐々に魚反応が渋くなっているのが分った。大場所のここぞというポイントでは、良いサイズの反応があるのだが抜けたり、振り返ったりと魚との対面まで至らない。
歌舞伎のくまどりの様にも、マジンガーZの様にも見える、ストーンの大きなシャックが岩にへばり付いている。この抜け殻のように魚のやる気と釣り人のやる気もスッと抜けてしまいそうな感じだった。
堰堤の下にようやく辿りついたところで、yamaちゃんは昼寝タイム、堰堤下でも魚に遊ばれた僕とochiくんはゆっくりとyamaちゃんを起こして林道を車まで戻った。
林道にあがるとひとり元気が良かったのはアブだった。忘れた頃にすごい勢いを増してきた。明日に備えて今日は飲んじゃおかっ!と言い訳が出来た僕達はアブ以上の活性を目ざしたが、いつもの静かなキャンプ場は夏休みの混雑。夜中のスイカ割りの群れが、林道のアブの群れの様に見えたのは僕達だけだろうか・・・・
[ フィールドレポート ] 投稿者 daikyu : 07:45 | コメント (16) | トラックバック (0)
2006年08月22日
テレストリアルの季節
さすがにこの暑さには人間も魚も活性が下がっていた。日中の暑さが夜になってもひかない。テントサイトには夏の風物詩であるクワガタがやってきた。この日舞込んだノコギリクワガタの甲は赤銅色に染まりランタンのタンクとシンクロしているようだった。少年時代の憧れと懐かしさを思い出させてくれた。アブやハチの様に避けられるテレストリアルもいれば、歓迎されるテレストリアルもいる・・・・
先日長野の地元の方と酒を交わしながら、ちょうどそんな話になりました。蟻とトンボはNGで、イナゴと蜂の子はOKって何の事だと思いますか?イモリはNGでサワガニはOK、ヒゲナガアダルトはNGで、ザザ虫はOKと書くとピンと来る人もいるかもしれません。人間も食べる昆虫のことです(イモリ以下は例えですので昆虫じゃないですね)
同じ長野県でも地方によっても『食べる昆虫』には差があります。イナゴは殆どの地方で食されていると思いますが、蜂の子は木曽ではあまり食べる習慣がなく、谷を超え伊那へ行くと盛んに地蜂採りをしていて、蜂の子は名産品としても売られている程です。
僕の中ではイナゴはOKで、蜂の子はNGなのですが、なじみの無い方には、両方目の前に流れてきてもライズしないですよね。ヒゲナガは成虫も幼虫もFFの中では重要な種ですが、幼虫は伊那地方では冬の貴重な蛋白源として知られ、今でも『ザザ虫漁』は冬が訪れた事を告げる風物詩として長野県下のニュースで流れるほどです。
見た目の美味しさに惑わされて色々な添加物を食事と一緒に採っている僕達とは違い、自然から供給される天然の蛋白源を元に育つ渓魚たちは健康そのものでしょう。
毎日流れに乗って泳いでいる魚達は、常にランニングマシーンに乗って水中有酸素運動を繰り返している様なものです。テレストリアルは筋骨隆々の渓魚達にかかせないプロテインのような存在なのかもしれません。
でもそんな彼らが僕達を魅了するのはフライには一定の許容範囲を広めて捕食してくれる事でしょうか。最大限の敬意を表して流れに戻してあげたいものです。最近の傾向は関東のヤマメは本物でも食べないほどの美食家で、緩めのメニューでも美味しそうに食べてくれる育ち盛りの若者の様な東北のイワナが僕にとってはお似合いだと思います。
人間にとっては厄介者のアブやハチも、渓魚にとっては人間を一時的に遠ざけて、流れに落ちれば自分達の捕食対象に変わる。羽アリは大量発生すると背筋がゾクゾクするが、水中でイワナ達はワクワクする。捕食対象に認識されて流れるフライは人間も魚もワクワクする瞬間が一致するのかな・・・・
[ アウトドア>キャンプ ] 投稿者 daikyu : 23:49 | コメント (14) | トラックバック (2)
2006年08月20日
アバ大発生
軽快なリズム感の曲を歌う金髪の男女4人組。盛夏のブナ森での気持ち良い釣りの写真に、なぜアバが大発生なのか?この主語と述語の関係はヘンではないか?僕にとってはこの時期になると思い出すこの『アバ大発生』というキーワード。
昔友人に良かった川を紹介する時に地図を描いて、あまりにアブが凄かった地点を何故か『アバ大発生』と書いてしまった。興奮していたにせよ、どうやって間違えるのか?仲間内では未だにアバ大発生と茶化される始末。
アバ大発生注意報が出ている東北を目指し、大物キラーのyamaちゃんと超熟キラーの僕は未明の東京を出て、主語の無い会話でお馴染みの宇都宮県人ochiくんと合流。今回は青森と秋田の県境まで北上しそこから岩手県境まで南下する予定。
白神山地の南側に流れる渓の源流部を目指す。到着したのはブナの森のミネラルを含んだ水をたたえた素晴らしい渓だった。入ってすぐochiくんに2匹連続良型のイワナが出る。『いいねー!』川に居る時は主語が無くても分る会話が多く安心だ。
それにしても中々そのあとが続かない。しばらく釣り上がると大きな堰堤。
これを巻くとパラダイスが待っていると淡い期待を寄せる。堰堤の直上はバタバタッと魚の反応があったがまた止まってしまう。ここまではあの忌まわしいアブは殆ど出ないが、魚も出ない・・・
うーんさすがにお盆だから人にかなり攻められている様だ。期待していた流れがそれ程では無かったのが残念だ。汗だくになり、山の斜面を上がり林道を下って車に戻った。
明日の釣りを視野に入れて、秋に良い思いをした渓のほとりまで走り、そこでキャンプをすることにした。コンビニで揃ってソフトクリームを買い、太陽の傾きと共に、ちょっと活性の下がったクレージーFFマン3人を乗せた4駆がひた走る。
アバ大発生がなくて良かったが魚の大発生もちょっと期待してただけに残念・・・・しかし翌日『大発生で大変!』って魚?アブ?オヤジギャグ?この主語がもうすぐ明らかになる?!
[ アウトドア>キャンプ ] 投稿者 daikyu : 09:42 | コメント (14) | トラックバック (0)
2006年08月18日
森からの贈り物
梅雨の名残の雨があがり、東北にも本格的な夏が来たことを知らせる空。夏は沢のイワナ釣りを開放的な気分でしたい。そんな天気に恵まれた釣りも残すところ半日足らず。6月末には大きな雪渓が連続して驚いた場所にさしかかる。
さすがに雪渓は消えていたが、その跡にウルイが生えているのをshikadaさんが目ざとく見つけた。昨年秋に舞茸取りのおじさんに会ったのもこの上流だった。森が豊かな証拠だろう。
川原がありゆったりとした渓相から、切り立った岩盤とV字の峡谷の中を流れる本格的な流れに変わった。前回は水量が多く、高巻きを余技なくされたポイントだったが今回はそこまでのコトではなかった。
落ち込みとヒラキが連続するポイント。shikadaさんが流れ出しから攻める。良いサイズが反応して、すぐさまロッドが曲がった。元気の良い水飛沫が水面に上がる。オレンジのラインが魚と繋がっているコトを誇示するように、ヒラキの流れを動く。
流れに乗って下流へと誘導するがかなりの元気モノのようで、姿が見えない。今日イチのサイズであろうことは予測出来た。カメラを構えていたので、何回もシャッターを切った。森の深さと渓の色がめに映る。
もうちょっとで詰められそう・・・結構この位が緊張と安堵の境目になっていてワクワク、ドキドキだ。背中のネットに手を回すこの動作も釣りの作法の中のコト。
もどかしく背中に手を回すあの感覚も好きだ。もうすぐ・・・
しっかりネットインしてホッとした表情のshikadaさん。サイズは9寸のナイスなイワナ。この渓独特の保護色の色濃く出たイワナだった。
両岸が岩盤の深いプール。ここは高巻きが必要な場所だ。最奥の巻きに送り込んだフライがスッと消えた。右手が反射的に立つと、ググンッと魚の反応が伝わってきた。渡渉が難しい程の深いプールの底を走る。8寸サイズの、コンディションの良いイワナだった。ネットインして僕もホッと一息ついた。
ネットに横たえて写真を撮ろうと思ったその時だった。前回は東京に戻り写真を整理していて気づいた映り込みと同じだった。逆行気味の水面に森と青空が映っていた。ハッとしてしまうような光景だった。
峡谷の中の太古の森が、夏の太陽を背にくれた贈り物だと思った。森と水と太陽と青空、そんなたくさんの恩恵を受けたイワナを通じて、感性が動かされる。出会いは一瞬だ。ただその瞬間はそんな事すら意識しない日々の長い積み重ねの中でもたらされている。
イワナがそんなことを語っているように見えるのは、自分にまだまだ足らないことが多いからだろうか・・・・
[ フィールドレポート ] 投稿者 daikyu : 05:03 | コメント (20) | トラックバック (0)
2006年08月12日
おてんとさまVS雨男×2人
40オヤジの2人は前日に思う存分釣りをして、温泉から林道をしばらく上がったブナも森で幕営した。翌朝目覚めると昨日の天気と打って変わっての晴天。朝から木漏れ日が眩しい。この梅雨明けを思わせる陽気ならば、今日は沢のイワナ釣りに分がありそうだ。shikadaさんこだわりのホットサンドメーカーで作った昼食のサンドイッチをベストに背に入れ、いざ出陣!
キャンプサイトから20分も走ると目的の渓に着いた。水は少し少なめに感じるが、誰も入っていない様だ。交互に釣り上がると、shikadaさんが8寸超のブリッとしたイワナを流心から掛けた。いい感じだ。交替した僕も藪フェチな攻めで、7寸を釣りお互いニッコリ。今日は中々の釣りが出来そうだ。
うっすら茶色の水色にshikadaさんが木の成分のタンニンが染み出しているのではと話した。アマゾンなどの川の色に見られるものだ。まさしく木の成分が水に溶け込み、魚を育んでいるとすればそれも頷ける話だ。しばらく釣り上がって来たので日陰でランチにする。
shikadaシェフ特性のホットサンドが美味しい。1つはベーコンエッグが入り、もう1つは懐かしいイシイのチキンハンバーグが丸ごと1つ・・・この際カロリーの計算は別にして、川で食べると更に美味しさが増す。ここに昨日のつまみのあまりのビーフジャーキーを入れておいたら、シットリとしてこれもイケた。お腹もいっぱいになって、後半戦へと入った。
雰囲気のあるプールと瀬が交互に現れる。こんなヒラキが手前からある場所はそーっとアプローチして、対岸のブッシュ際を丁寧に探りたい。逆ハンドの緩いループを岸際に・・・・ゴボッと出たがすっぽ抜けてしまった。溜息ともうめき声ともつかない声が思わず上がってしまう。photo by shikada
後ろを振り返ると苦笑いするshikadaさんも、フライに出たシーンを見ていたようだ。やっちゃいました・・・
こんな時はロッドをゆっくりと振りながら呼吸を整える位ちょうど良いんでしょうけど、僕は狭いループで更に早いキャストになってしまう。
大きなプールの巻きで、shikadaさんに今日イチと思われるサイズがフライに出た・・・が痛恨の合わせ切れ!かーっ!!もう自分の事のように悔しい。ピックアップしようとしたフライを追い食いしたイワナは水面上でガバガバッと水飛沫を上げて、プールの底へ去っていった。
代わった僕に待望の8寸が出る。交替したポイントでお互いに1匹づつ掛ける。このポイントはあまり捉えどころのない深瀬だったが、反応しただけで4匹のイワナが着いていて驚いた。
蜘蛛の巣がかなりしっかり張っている。ティペットに絡みつくと、音もなく切れてしまう位厄介なのだが、これは人の入っていない証拠。このブッシュの間を抜けると、本格的な渓相が待っている。
[ フィールドレポート ] 投稿者 daikyu : 13:14 | コメント (20) | トラックバック (0)
2006年08月09日
あんた好きだねぇ
突然強くなった雨足に、元々予定していた渓への移動時間が出来た。今日はキャンプの予定だが40オヤジ2人だから、どうにでもなるだろうと楽観していた。川のほとりに立ったのは4時を回る頃だった。
小さな峠道を越えただけだったが、秋田のおてんと様は、雨を小休止させイワナの谷から撤収した僕達に、開けた里川のヤマメと遊ぶ時間をプレゼントしてくれた。びっしょりと重くなったレインギアを脱いで、シャツを着替える。
おそらく先ほどのイワナの谷での降雨の時はこっちも降っていたに違いなく、少々薄濁りが入っている。
14番のハンピーを結び、軽快に釣り上がる。川原のあるポイントで少し上流側に回る事に。ほぼ直角に曲がる、魚の気配のするプールの浅めの流れ込みに狙いをつける。
小さく吸い込む様なフォームでフライを消し込んだのは、体高の素晴らしい8寸超の本流山女だった。そのサイズだが、指が回らないほどの豊満ぶりだ。追いついたshikadaさんに先行してもらい、山女らしい早い流心に着いてる様だとはなし、夕暮れの迫る川を交替に釣り上がった。
農道にあがり車に着く頃にはとっぷりと日が暮れていたが、夜はまだ長い。来た道を戻るか、もうひとつ峠を越えるか同じ様な距離にある温泉のどちらに行くか迷う。ふとあの人懐こい顔が目に浮かんだ。
すっかり常連となった日帰り温泉の受付で350円を支払うと、『おばちゃん・・・またシャンプー忘れちゃったよ』とまるで銭湯にでも来た様な声をかける。にっこりと笑いながら『あんた好きだねぇ、また釣りに来たの?』と声を掛けられ
た。『おばちゃんの顔が見たくてまた来ちゃったよ!』更にうれしそうな顔をしたおばちゃんを見て、こういう切り替えしは間髪おかないのが肝だと妙に納得してしまった。
[ フィールドレポート ] 投稿者 daikyu : 01:20 | コメント (20) | トラックバック (0)
2006年08月07日
行くべきか行かざるべきか・・・・
エグレのスポットで出た尺イワナ。俄然2人のやる気に火が着いた。釣り上るとプールの開きには良いサイズが出ている。それも2、3匹が15cm程の浅瀬に出ていてこちらに気づくとスーッと走る。そーっとポイントに近づくが結構走られてしまう。
雨は小康状態であるが、少し空が暗い感じはする。ただなま暖かいほどの温度が、魚の活性を上げる雨になっているようだ。相変わらず魚影は濃く、今シーズン一番の活性を感じさせるほどになった。大きな巻きに倒木がいくつか立つ独特のポイント、ゆっくり下流側からフライを送り込んでやると、もうこれ以上流せないと言うほどラインが伸びきった所で、ゴボッと出た。
ギラギラッと水中で鈍い光を放った魚はすぐ、針から逃れた。おそらく9寸は越えていたと思う。でも何だか余裕がありまた行けるだろうと、気を取り直す。
何日か前に降った雨の影響で増えていた水位が下がりかけた状況だった事も幸いしたのだと思う。shikadaさんが広めのプールを下から探っていくと、大きな虫を捕食したかなり派手なライズに遭遇した。
フライを落とすと少し下流で8寸のイワナが元気良く出た。そして再びキャストすると最初のライズポイントからは明らかにそいつよりデカいイワナがフライを襲ったがフッキングには至らなかった。
しばらくすると空が重い雲に覆われ、雨足が強くなった。浅く流れの速いプールでゆっくりとフライに反応したのが、この尺イワナだった。白い川底をコピーしたような美しい魚体。photo by shikada
計測しなかった理由は、釣りを継続するにはちょっとヤバそうな雨の量になってきたからだった。勇気ある撤退・・・大げさに言うとそうかもしれないが、大げさな事にならない為には大切な判断だとも思った。shikadaさんと少し足早に車を停めた林道までの道を戻った。こういう場合は一刻も早く安全を確保することが大事だ。
魚の活性はおそらく今シーズン一番だったが、大人としての判断の早さもおそらく一番だった様に思う。
しかし後ろ髪は間違いなく1kmは伸びていたんではないだろうか。これもshikadaないことか(笑)
[ フィールドレポート ] 投稿者 daikyu : 22:46 | コメント (16) | トラックバック (0)
2006年08月06日
霧雨が降る森
梅雨の名残りの雨が森を濡らしている。シトシトした雨、昔の梅雨はこういう雨が多かった気がするが、ここの所の気候はスコールのような雨が殆どだ。雨がこれ以上強くならない事を願って渓に入る。3人のフライマンを会い、先にどうぞと言われさらに30分程歩いて入渓した。
しばらくポイントを探って見たが、魚が上ずっている様子がなく少し不安になる。光が差していれば虫が動き、魚も上ずるはずだが・・・林道を歩いている時に見かけた、甲虫のサイズを基準にDOSの8番を結んでいたが、フライが大きすぎるのかなと不安になっていた頃だった。
流れがまとまって対岸にぶつかり深くエグれている大きなプール。張り出した広葉樹が大きなシェードを作っている。流れはかなり重く、岸際のカーブにいくつか倒木が横たわり絶好の着き場となっている。イワナの気配はいつもするプールだが何故か良い思いがない。
エグレの一番奥の暗がりに上流側からフライをドリフトする。シェードが殆どプールを覆いつくしている為サイドに廻り込んで、キャストする。重くゆったりしと流れの向こうの対岸沿いの筋があやしい。ティペットが伸びきらない様に、フライを入れるとオレンジのポストがユラユラと上下しながら、核心部に近づいた。倒木の前で一瞬止まった様に思えた瞬間、フッと吸い込まれた。
『!』声にならない緊張感が走る。ブッシュを避けるように2番ロッドを立てると、倒木にフライを取られたような衝撃が一気にバッドに来た。『やられたかなぁ・・・』と思った瞬間、ゴンゴンと続けざまに魚が首振りしている感触が伝わった。『でかそうだっ!』初めて魚を確信して、声を出す。
倒木から引き離すと同時に下流へ誘導しようとロッドを立てる。姿を見せない重厚な引きのイワナをジリジリと寄せる。この日初めての魚だった事もあり、腰が引けてる・・・・シェードの切れたところで、流れに立ち込んでネットイン! pfoto by shikada
34cmの精悍なイワナ。もちろん今年一番の魚。8番のDOSは喉元まで飲み込まれていた。同行のshikadaさんも興奮気味。森のフィトンチッドと僕のアドレナリンが大放出と言う感じだ。目も顔もヒレも全てが大きい。
一番良い場所で餌を待っていた彼の喉元から、今日流れて来たご馳走の一つに見えたであろう擬餌針を外して、流れにかえした。元気良く流れに帰った彼を見届けてよしっと気合が入った。
時計の針は12時を回っている。時間的にもこれからなのかもしれない・・・・
[ フライ>いわな ] 投稿者 daikyu : 10:24 | コメント (18) | トラックバック (0)
2006年08月03日
鏡の中のじぶん
東北の釣りから戻る高速のトイレで、雨宿りしているアマガエルを見つけました。鏡に映った自分にどんな事をおもうのでしょう?『他人は自分の映し鏡』と申しますが、蛙と犬の場合は真面目な顔をすればするほどこちらはおかしくなってしまいます。
そんな蛙には特別な思いがあります。小学生の頃は同級生の女の子の家の田んぼで泥んこになってアカガエルを捕まえては、田んぼには縁のなかった家の前の漬物樽に入れて飼い悦に入っておりました。木の蓋をかいくぐって逃げるカエルが増え、いない筈の家の周りの草むらから、夜になるとゲコゲコとカエルの合唱が聞こえる始末でした。
ある日泥んこのまま、土間のあるその娘の家に上げてもらいました。お腹が空いた僕に彼女が作ってくれたのが、『砂糖多目の焦げた卵焼き』でした。妙に美味しくてその黒いコゲと、泥の匂い、田んぼの脇の石垣に間に手を入れて捕まえたアカガエルの『グチョッ』とした感覚が昨日の様に思い出されます。
真っ暗になるまで蛙取りをしていると、親父が方向指示器のついた兄のツンツン、ツノダの自転車に乗って来て『おーい大久!カエルぞ』と迎えに来てました。これ元祖オヤジギャグですね!
今考ガエルと(これは平成風オヤジギャグです)彼女のことが好きだったのに、言えなくて『蛙取りに行っていい?』と言い訳をしては通っていたんですね。彼女と同じくらい蛙も好きだったと言うと、何かヘンですが甲乙つけ難かった様に思います。
飽きる事無く毎日の様に蛙取りをしていましたが、彼女には告白出来ず、蛙取りも彼女もいつの間にか熱が冷めていました。それに代わって始めた魚取りの熱は未だに冷める事無く、アツくなる一方です。
この鏡を見ている蛙を見ていたら、『私蛙ににてるぅ?』と彼女が覗き込んでいる見たいに見えてきました。そういえば少し似てたかなぁ。
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2006年08月01日
キャンプの夜
ランタンに灯がともると、薄暮が心地よい明るさに変わり、釣り人もキャンパーに変わる。しばし魚への思いと、釣りの話を休憩して、夕食の支度をキャプテンのもとで進める。今回のキャプテンはsyatyouさん。相棒のスペシャルなキャンピングカーと共に、心強いベテランキャンパーだ。普段ならまだ川にいて竿を出している時間だが、いつもより早めに釣りを切り上げて準備に入るのもたまにはいいかっ・・・
キャンピングカーはsyatyouさん曰く、一生付き合える趣味であるFFと出逢った事がきっかけと言う、拘りと完成度だ。随所にベテランとしての使い勝手に対する要望が盛り込まれたカスタム仕様である。
今回も釣り優先のハードスケジュールを見事にこなし、宿の心配と言う憂いを払拭して、素敵な旅を演出してくれた。そして何より、全てに於いて手際が良く、パン職人であったsyatyouさんの普段の仕事ぶりが目に浮かぶような無駄のない動きにも感心してしまった。キャンプ好きな僕もこの手際や、道具の選び方、まとめ方には学ぶべき事が多かった。
土曜と言うのに僕達以外は誰も見当たらない、何とも贅沢な貸切の宴会をすることが出来た。訪ねてくるのはランタンに寄せられた昆虫類だけで、静かな森に男3人の笑い声だけが響いていた。
翌日キャンピングカーの特設ベッドを抜け出すと、青空が広がっていた。よしっと気合を入れなおして、昨日、二人とも大物にフラレてしまった場所を目指して泣きの再戦を懇願した。しかし先行者の車があり、泣く泣く諦める事に。後ろ髪が600km伸びそうな感じ・・・・
一昨日寄り道した里川を本格的にやることにした。秋田にしては珍しい田園風景を流れるこの渓では、8寸級の山女がボツボツと出てくれた。雨後の好天という条件も重なり、苔むした護岸の中を釣り上るのはそれで気持ちが良かった。
天気が良くなればやはり渓魚は水通しの良い場所と、日陰を好んで着き場にしていた。小さなスポットでもこの条件に合致していれば、魚は出ていたが、反対に大場所でも日当たりの良いところや、緩い流れでは無反応と分りやすい感じだった。
今回の旅を通じて、求めようとする安らぎはこうだと形が決まっているものはなく、自分が落ち着けるなぁと思う景色や、人との関わりの瞬間が安らぐ時なんだと思った。
山女の肌色や、Bzヘッド先輩の東北なまり、田んぼを歩く小学生、肩で息をしてる岩魚、ランタンの灯り、苔むした護岸、そして旅を通じてご一緒した大先輩のsyatyouさんとカメラマンのsさんを交えた会話。
写真にないものも含めて安らぎを感じた旅でした。本当にありがとうございました!これからもよろしくお願い致します。syatyou! sさん!出来れば今度は北の大地でもお願いします!
[ アウトドア>キャンプ ] 投稿者 daikyu : 21:28 | コメント (76) | トラックバック (0)